ヒトノカズダケ

 ヒトノカズダケ・・・ 言葉があり、想いがあり、LIFESTYLEがあり、幸せがある。 日々よぎる思いを言葉にし、近くにいるようで遠い誰か、まだ知らない誰かとつながりを持てたらいいと思ってつくりました。

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想いをつなげるために

2月18日。
今日の大江戸線内は、いつもとちょっと違う空間だった。
少なくとも私にとっては。

今日は、午後1時から有機農業研究会主催の有機農業入門講座に行くという予定しかなかったので、午前中は、明日からのNOwarYES合宿in織座農園の準備をする気でいた。

それが、家でゆっくりしていた私に、急に山谷の仲の良いおっちゃんから、馬鹿をしてラーメンも食べられないから助けてくれと連絡が入った。
ごく最近、彼は親しい仲間が自ら命を絶ったばかりだった。
きっとそれでやけになってしまったんだと思った。
亡くなったことを知らされてから、少し連絡がなかったので心配ではあった。
心で思っているより、身体を動かして、彼に会いに行けばよかったと悔やまれた。
でももう遅い。
悔やんでいるだけでは、彼のお腹はいっぱいにならない。
それどころか、のたれ死ぬかもしれない。

というわけで、山谷に持っていこうと思っていたレトルトの食品たちをできるだけ持って大江戸線に飛び乗った。

そんなおっちゃんからの連絡があったからこそ、私はあの空間を共有する一員になれたのだと思うと、なんだか不思議だなぁと思う。


11時4分光が丘発の地下鉄に乗っていつもの席に座り、小川洋子の小説を読みはじめた。

2つか3つ、駅を通り過ぎたとき私の隣には3歳くらいの女の子が座っていた。

その子は、落ちつきなく膝をついて窓に顔を貼り付けたり、モゾモゾしていたため、母親にちゃんと座るよう叱られていた。

その子がまっすぐ座ってまもなく、手話つきで歌いだした。


世界中のこどもたちが 一度に笑ったら
空も笑うだろう ラララ 海も笑うだろう

世界中のこどもたちが 一度に泣いたら
空も泣くだろう ラララ 海も泣くだろう

広げよう 僕らの夢を
届けよう 僕らの声を
咲かせよう 僕らの花を
世界に虹をかけよう

世界中のこどもたちが 一度に歌ったら
空も歌うだろう ラララ 海も歌うだろう



小説に夢中になっていた私の代わりに初老の男性に席を譲られ、彼女の横に座った母親は、「上手だね」と彼女を褒め、彼女は歌い続ける。


ふと、歌の途中で彼女は母親のほうを向き「どうしたの?」と顔をのぞきこんだ。
母親は泣いていた。ぐすんぐすんと鼻をすすりながら、黄色いハンカチで涙をぬぐっている。
それを見て彼女は「もう一度歌ってあげるね」とはじめから歌いだした。

再び歌いだした彼女の声と手話が車内に浸透している間もずっと母親は泣いていた。

彼女の手話、そして歌声は、とても綺麗で透きとおっていた。

私の斜め前に立っていた父親とベビーカーに乗せられた彼女の妹もその空間の中に居る。
妹はキャッキャと笑い、父親は母親を抱きしめたいとでもいうような表情で見つめ、代わりに少女の妹の頬に手をあて、額を合わせた。

私は、この家族の真ん中で、開いていた小説の頁が一向に進まず、さっきまで少女の歌に合わせて揺れていた肩が小刻みに震えた。

おかげで、妹の抹茶色の傘を電車の中に忘れてきてしまったけれど、彼女とその母親、そして父親と妹のあの家族に出会えたことは、私にとって何かの巡りあわせのようにも感じている。


tedukuri
このあいだ、毎月15日に京都の知恩寺でひらかれている手づくり市に行ってきた。
織座農園で出会った友人たちが、ひさしぶりに陶器や布ナプキン、お菓子や刺繍入り靴下を出すというので、最近買い物をしていなかった私とmassunは、どうせお金を使うなら創り手の顔が見える買い物をしたいという思いもあり、夜行バスに乗ったのだ。
tedukuri3


私たちは、朝8時から夕方5時までたくさんの創り手や、その創り手たちの手で創られたものたちに触れ、声を聴き、とびきりいい出会いには手をつないだ。

EARTHDAY TOKYOで出会った創り手とも再会した。


手づくり市に行って、最近、絵本やアニメーション映画を観ていて思った。
私が幼い頃に読んだ絵本や小説、観た映画、歌った歌は、そのほとんどが大人によって創られたものだ。それらは、私にとって励みや、慰め、そして友人であった。

大人たちはどんな想いでそれらを創作したのだろう。
それを強く思わされたのが、鉄コン筋クリートという松本大洋の漫画を映画化したもの。
友人のお母さんが制作にたずさわっているので、誘われて偶然見たのだが、これがすごい。
登場人物もそれぞれ面白いが、舞台となる宝町もアジアの喧騒とした感じと、横浜寿町のような雰囲気で、見ごたえがる。
内容は・・ここで言っちゃうともったいないので言わない。
きっとそのときの気分や天気によって見方も変わる映画だと思う。
私はそう感じた。

さて、人の創作物を介して、自分の想いを伝える、自分の内面の想いを代弁してもらうということをしてみたい、とふと思った。
そうだ、織座合宿でやってみよう。

と、思い、こんな風に呼びかけた。


今日は、織座合宿前にみんなに募りたい「みんなのことば」についてメールしました。合宿に来られない人も読んでくださいね。

ここでの「みんなのことば」というのは、それぞれが、感銘・共感・影響を受けた本、映画、歌、詩、絵、TV番組、新聞、雑誌などの「ことば」を抜粋して、それを代替文として自分の想いや考えを伝えて欲しいなと思い、考え付いたものです。
たとえば、私の場合(一つの例として)、茨木のり子さんの「椅りかからず」という詩の以下の文章。

もはや
できあいの思想には椅りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には椅りかかりたくない
もはや
できあいの学問には椅りかかりたくない
もはやいかなる権威にも椅りかかりたくはない
ながく生きて心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目じぶんの二本足のみで立っていて何不都合のことやある
椅りかかるとすればそれは椅子の背もたれだけ


そのことばによって、今の自分があるとか、平和の大切さが身にしみたとか、かかわっている問題について入り込むきっかけとなったとか、間違ったことは間違っていると言える強さをもらったとか、まぁ、そこまでいかなくても、今までの、短い人生ではあるけれど、その生涯において、感銘・共感・影響を受けた「ことば」を募りたいと思います。

ただ、ひとつだけ、条件。
戦争や平和にかかわること、それとつながる(本人がそう思っていればいいですよ)小さな小さな暮らしにかかわること。

ちょっとわかりにくいかな。
ちょっとした自己紹介みたいなものを、その人の大切な「ことば」を通してできたらという感じです。


それをみんなで共有すれば、心強いはず。 みんなの心の支えのおすそわけをしてください。


このお願い、これを読んでくれている人にも聞いてほしい。
メールでもコメントでも良いので、あなたの「ことば」送ってください。
あ、「ことば」と言っても、絵でも映像でも創作物ならなんでも。

最後に、今日は私ではない誰かの「ことば」ばかりで恐縮ですが、織座農園のお母さんが、山形の合宿先に持ってきてくれた新潟日報の記事のひとつにあった小川洋子さんのことばを。


人が自分の生きている世界と何かしらの絆を結ぼうとしたとき、
必ずしも感情をぶつけ合って妥協点を探したり、
人格をさらけ出して互いのすべてを分かり合おうとしたりする必要はないのかもしれない。
たとえば、たった一冊の本、一つの歌、一枚の絵、一個の星、そういうものの前で心を震わせる瞬間にも強い絆は築かれている。

心の震えは自分一人のところにとどまるものではなく、
遠いどこかの誰かにも響いてゆく。
その響きに耳を澄ませるとき、自分が目に見えない、偉大で心地よい世界によって守られているのを感じられる。


20070217162106.jpg


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  1. 2007/02/18(日) 22:38:39|
  2. 共有したいこと
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<みんなのことば【加筆ver.】 | ホーム | 洞窟には出口がある>>

コメント

何かないかなと探してみた。

戦争と平和につながるのか、そこはちょっと疑問なんだけど、

写真家坂田栄一郎のことば
「根が丈夫なら樹は倒れない
 谷が深ければ泉は枯れない」

心も同じなんじゃないかと思ってんのね。

写真に心が震え涙が出そうになり、
そして本人の温かさに尊敬が生まれたの。
写真家のなかで私には特別な存在です。

彼の言葉もいい、
でも本当は彼の写真を伝えたい。


写真集、行く前に渡せるかな?

いい合宿になりますように☆
  1. 2007/02/19(月) 01:05:45 |
  2. URL |
  3. おかっち #-
  4. [ 編集]

あぁ・・めっちゃ借りに行きたいけど、これから石神井までチャリこいだら明日起きられるかわからない。。
関連サイト<http://www.kyuryudo.co.jp/kyuryudo/sakata/sakata.htm>にもそんなに載ってないね。残念。
今度ぜひぜひ見せて下さい。

「ことば」をありがとう。
  1. 2007/02/19(月) 01:45:47 |
  2. URL |
  3. kureha #-
  4. [ 編集]

久しぶりのカキコ♪
織座農園の、陶器や布ナプキン、お菓子や刺繍入り靴下を見て見たいです。
いつかアップお願いします(*´∀`*)
  1. 2007/02/19(月) 21:34:28 |
  2. URL |
  3. sayo #-
  4. [ 編集]

太白山脈とあの島へ帰りたい

言葉はすぐには出てきませんでしたので、とりあえず、本を。

 「太白山脈」韓国の小説で、日本語版も出ています。残念ながら、あまりにテーマが重たいため、私は第5巻の途中で止まったままです。

 でも、農業を志している人には、オススメしたい本です。近代韓国の農民たちが、国際紛争と国内紛争に翻弄されていく様を、描いています。

 それから、映画ですが、やはり韓国の、「あの島へ帰りたい」。

 やはり、朝鮮戦争前後のとある韓国の小さな島を舞台にしたものがたりです。
 昔、神保町に「アジア映画」というレンタルビデオ屋さんがあったんですが、今はもうないかな?
 韓国文化院か、日韓文化交流基金図書センターへ行けば、あるかもしれません。
  1. 2007/02/20(火) 21:53:47 |
  2. URL |
  3. アベッカム #-
  4. [ 編集]

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